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2.ラミネート製品の製造工程

ラミネートという言葉は「貼り合わせる」という意味です。 文字通りラミネート製品は複数の材料を貼り合わせて作られます。 ラミネートの方法は数種類あり、当社で採用しているのは「押出ラミネート」と「ドライラミネート」の2種類です。用途に応じて製造方法を変え、様々な種類のパッケージに対応しています。またラミネート後の加工のバリエーションも豊富です。

フィルム

まずはフィルムを準備します。フィルムはロール状に巻かれており、これを「基材」と呼びます。基本的には当社で製造した基材を用いますが、他社で製造された基材でも対応可能です。

材質分析

フィルムは見た目は同じでも使われている原料や密度が違うことがあります。それによって、そのフィルムの持つ性質も変わってきます。当社ではお客様が持ち込まれたフィルムの材質を分析するサービスも行っております。

印刷 (グラビア印刷)

原反からフィルムを再び巻き出して印刷していきます。印刷にはロール状の「版」を使います。この版にインクをつけ、回転させながらフィルムに押し当てることで高速に印刷ができます。印刷方法にもいくつか種類がありますが、当社が採用しているのは「グラビア印刷」と呼ばれる印刷方法。グラビア印刷に使う版には極めて微細な碁盤目状の凹みがあり、その凹みの深さを調整することで、微妙な濃淡を表現する事ができます。印刷後の原反はそのまま加工せずに出荷する場合もあります。

高品質なカラー印刷

印刷物が1色の場合は版はひとつですが、カラー印刷の場合は、複数の版を使って印刷を行います。当社では数年前に最新の多色グラビア印刷機を導入し、鮮やかなフルカラー印刷が可能になりました。

ラミネート

複数のフィルムを貼り合わせます。製品の用途にあわせて2種類の工法を使い分けます。

押出ラミネート

押出ラミネートは、基材に対し、熱で溶けた樹脂をフィルム状に押し出して冷却圧着させる工法です。

1 . 基材に「アンカーコート」という接着補助材をコーティングします。 2 . 原料を溶かし、「押出機」の細長い隙間からフィルム状に押し出します。 3 . それぞれを冷却ローラーで圧着し、固めます。

押出ラミネートの特長

ラミネートしても固くならないのが特長です。また耐ピンホール(穴があきにくい)性質があります。接着剤を使わないため、環境にもやさしい工法です。

ドライラミネート

ドライラミネートは、基材に接着剤をつけたあと、乾燥させ、もう片方の基材と熱圧着させる工法です

1 . ラミネートするベースとなるフィルム(基材)に接着剤を塗布します。 2 . 接着剤を乾燥させて、薄い接着剤の膜を作ります。 3 . もう片方の基材と熱圧着させます。

ドライラミネートの特長

ドライラミネートは「耐熱性」が必要な製品に向いています。レトルト食品のパック等は熱湯でも耐えられるよう、試験を繰り返しながら条件をクリアするまで何層にも貼り合わせます。1ミクロン(千分の1mm)の精度が求められる世界です。

なぜラミネートが必要?

例えば、真空包装パックを作るとします。真空包装にはナイロンという空気を通しにくいフィルムを使用します。しかしこのナイロンという素材は熱に強く、ナイロン同士をくっつけて密封することができません。そこで、ナイロンの内側にポリエチレンをラミネートします。ポリエチレンは熱で簡単に溶着できますので、2枚のフィルムを貼り合わせることによって、空気を通しにくく、なおかつ密封された真空包装パックを作ることができます。素材にはそれぞれ長所と短所があり、ラミネートすることで、それぞれを補い合えるというわけです。

印刷を活かすラミネート

ラミネートは印刷後のフィルムにもよく使われます。通常、印刷されたフィルムは表面を強い力で擦ると、色が落ちてしまいます。しかし、印刷されたフィルムの上に一枚ラミネートするだけで、全く色落ちしないフィルムが完成します。

スリッター

スリッターとは横幅の広いフィルムを一定の幅に切断する工程です。印刷・ラミネートされたフィルムは製品の幅にあわせて「スリット刃」で切れ目を入れていき、複数のフィルムロールへと分けられます。

製袋

袋状に加工していきます。ポリエチレン製品がチューブ状のフィルムから袋を作るのに対し、ラミネート製品の場合は、フラットなフィルムから袋を作っていきます。ラミネート製品の袋の種類は大きく4つに分けられます。

三方袋

2枚のフィルムの三方(右側・左側・底の3つ)の部分を接着して作られる袋です。加工しやすく、密封性も高いため、食品や薬品、化粧品の包装など様々な用途に用いられます。

合掌袋

1枚のフィルムを輪になるように接着(背貼り)した後、底を接着して作られる袋です。表面の接着部分が少ないため見栄えが良いのが特長です。お菓子の袋など軽包装に良く用いられます。

二方袋

1枚のフィルムを縦に2つに折り、両端を接着して作られる袋です。小容量の包装に適し、お茶のティーバッグなどに多用されています。

スリッターロール

フィルムをトイレットペーパーのようにロール状にした製品です。梱包用資材などに多く用いられます。

梱包・出荷

できあがった袋は、所定枚数をケースに梱包して最終製品となります。製品は配送センターから出荷され、お客様のもとへと届けられます。

品質管理

「やるからには、徹底的なモノづくりを」。これが当社の品質に対する考え方です。 当社の高瀬工場は軟包装衛生協議会の認定工場に指定されており、以下のような設備によって、 お客様に安心していただける品質を守り続けています。

エアシャワー

エアーシャワーは、最も頻繁に使うクリーン機器のひとつです。大切な製品に異物が混入する事がないよう、資材も人も必ずこのエアシャワーをしないと、製造ラインにつくことができないようになっています。

検品機

フィルムに向けられたカメラセンサーにより、人間の目では発見できないフィルム欠陥や異物を検出できます。エアシャワーと合わせて二重にチェックをすることで、間違いのない製品をお客様のもとへとお届けします。

検査・試験室

フィルムの分子構造や状態を調べる「FT-IR(赤外分光機)」をはじめ、熱に対する強さを計る「熱分析機」、引っ張りに対する強さを計る「引張試験機」、気体の透過性を計る「ガスクロマトグラフ」など、フィルムを細かくチェックするための機器を多数取り揃えております。